転職活動をする前に最も気になってしまうのが、どの程度の期間で転職活動が終わるのか、ということ。
そしてそこに付随して気になってくるのが、何社応募したら良いの、通過率どれくらいなの、というテーマ。
受かる時には受かる、質より量、と言われてしまえば元も子もないのですが、先の見えない転職活動において客観視出来るデータが欲しいというのが、不安を拭いたい皆さんの共通認識ではないでしょうか。
私は以前の会社を退職した後、転職エージェント、転職サイトを通じて100社以上の企業にエントリーをしたことがあります。
別で内定を数社頂いてはいたのですが、夢のある仕事にも就けるのか、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる精神で自分の実力試しをしていた側面もあります。
そこで今回、数百社という応募実績をサンプルに、
「異業種異業界」「同業種異業界」「同業種同業界」
の3つの括りで客観視出来る書類選考通過データを作成してみました。
なんとなく○○%、という数字を信じるよりも、理想と現実がどの程度乖離しているのかを見るには現実的な記録だと思いますので、もしよろしければご確認下さい。
事前知識・調査条件
まず、計測データを示す前に、世で言われている通過率についてと今回の調査方法について記載していきます。
人材系各社の見方
調査を行うにあたり、事前に大手人材系企業が転職面接でどの程度のデータを出しているのかを調べました。
皆さんも同様の形で調べて頂ければわかるかと思いますが、各社バラバラ。
25%から50%と、集計方法も恐らく様々で内実に関する記載はほとんどの企業がないので、どんな統計をとった結果だったのかイマイチわかりません。
全体平均を取ったら大体この間辺りに収束する、というのはわかるのですが。
ちなみに私は書類は30%程度、という説明を受けました。
調査方法
サンプルは私が応募した数百社の選考結果です。
能力や経歴にも依存する転職活動において統計対象が私一人、というのは大学時代統計学論文を書いていた身としては、恩師に叱られてしまいそうな気もします。
とはいえ、異業種・異業界と同業種・同業界でどの程度データが離れてしまうのか、というデータを取れれば、25%〜50%というデータに多少数値を参考程度に足して見たり、引いてみたりしながら考えることが出来るのではないかと思います。
条件
経歴:
一部上場メーカー退職
営業職
営業成績で表彰歴有(多分マグレ)
第二新卒
大卒
業界明示は避けますが、堅苦しい業界
シェアはトップです。
あくまで数値の差を見るものなので経歴は参考程度です。
大事なのは以下の部分。
長くなるのでザッと結果だけ見たい方は読み飛ばして下さい。
企業規模の差は分ける
→今回は東証一部・二部上場とJASDAC以下〜未上場までで分けることにしました。
表現は前者は大企業、後者は中小企業とします。
上場企業傘下のグループ企業に関しては、従業員数1000名以上を大企業、未満を中小企業と定義。
ピンキリですが、例えば未上場超大手なんかには応募もしていませんでしたので多少はデータに優位性は出ると思います。
書類選考データのみ使用
→今回は書類選考の通過率のみを見ています。
内定や一次面接の結果は除外しました。
異業種同業界は検証しない
→サンプル数があまりにも少なすぎた為今回は除外。
こちらを求めていた方は申し訳ありません。
転職エージェントでの応募をメインに検証
→参考程度に一部項で記載しますが、今回は転職エージェントでのデータをメインとします
退職後3ヶ月までの応募データ
→なるべく業界業種差以外の上下を減らしたい為、退職から3ヶ月以内に応募したもののみを計算しました。
対象エージェントは総合型エージェント3社
→所謂、全案件を総合的に取り扱う総合型エージェント3社。
今回公表は控えますが、どれも人材系では有名な3社です。
志望動機は未記載のものとする
→転職サイトを活用する場合は志望動機を書くことも多いのですが、エージェントの場合は少数。
志望動機記載があればデータが変わるかもしれませんが、志望動機の内容次第で結果が変わるものはなるべく排除。
必然的に、提出する書類は全て同じ、ということ。
異業界の条件
→同じ製品群の知識を取り扱う可能性で決定。
前の企業の製品知識が役立つ可能性があれば同業界、そうでなければ異業界とします。
尚、サラリーマンに絞っている点と私のわがままにより不動産と証券にはエントリーしていない点はご憂慮下さい。
異業種の条件
→営業職であるか否かです。
通過率は1の位まで計算
→小数点以下は四捨五入します。
2019年データとする
→データは2019年のものです。売手市場の煽りは受けています。
調査結果
それでは、上記条件をもとにデータを出していきます。
大層な条件決定をしましたが、データの乖離は取れるのでしょうか。
異業界異業種の場合
下記がデータとなります。
応募数 | 通過数 | 通過率 | |
大企業 | 32 | 2 | 6% |
中小企業 | 15 | 3 | 20% |
合計 | 47 | 5 | 11% |
非常に厳しい結果となりました。
通過した中には大手グループ傘下企業の購買担当や企業コンサル等がありました。
中小のゲームメーカーにも通っています。
一方落ちたのは食品系や玩具、化学製品などです。
夢のある会社を何社も応募しましたが、通過したのは大手では堅苦しいイメージの会社のみ。
そこはやはり人材マッチングの面も大きいのでしょうか。
ちなみに転職サイトに関しては大手中小合算して10エントリー、全て志望動機記載の上通過したのは0社でした。
ここから面接をしていかなければならないのは酷です。
キャリアチェンジを考えている方はチェンジ後のキャリアアップも計算に入れていかなければならないでしょう。
異業界同業種の場合
応募数 | 通過数 | 通過率 | |
大企業 | 36 | 3 | 8% |
中小企業 | 18 | 8 | 39% |
合計 | 54 | 11 | 20% |
営業職に絞っただけでここまで選択肢が広がりました。
特に中小企業に至っては人手不足もあるのか、通過率は信じられないくらい上昇しています。
スケジュール上辞退しなければならない場合もありますが、恐らくこれだけ通過していればどこかしらには引っかかるのではないでしょうか。
そこのデータはございませんが…
通過した企業の中には外資の有名メーカー2社が名を連ねました。化学品と食品です。
その一方で、残りの大企業一社は石油製造、中小は建築系メーカー等堅苦しいイメージの企業ばかり。
エージェント内では人材マッチングを相当意識されているのがわかります。
ちなみに転職サイトは13社応募でやっと一社通過しております。
これも外資の有名メーカーです。
同業界同業種の場合
応募数 | 通過数 | 通過率 | |
大企業 | 6 | 2 | 33% |
中小企業 | 5 | 3 | 60% |
合計 | 11 | 5 | 45% |
では最後に、同業界同業種の場合。
流石に通過率は異様に高いです。
単純にキャリアアップを目指す目的であれば良い転職活動が出来る可能性もありそうです。
とはいえ、個人的には前の会社で1番のライバル関係にあった会社に選考落ちさせられたのには驚きましたね。
同業界の元取引先は全通しました。
無関係ですが、スカウトメールもガンガン来ました。
転職サイト経由での応募は1社のみ、落ちました。
調査報告
以上が検証結果になります。
今回の検証からわかったことを記載していきます。
キャリアチェンジの壁は高い
同業界同業種の通過率が6%、異業界異業種の通過率は45%と、数値には歴然とした差がありました。
大手の母数や全体の母数が違うとはいえ、未経験のキャリアを歩むことがどれだけ大変なことか、ということを示しています。
期待も持てる
とはいえ、志望動機も記載せずポチポチと応募するだけで通過している企業もある、つまり経験以外の何かしらの要因を重視して通過している可能性がある、ということです。
これが志望動機を記載して応募したらどう変わるでしょうか。
志望度を大事にしている企業があるのは周知の事実ですし、熱意を持って励めば通過の確率は上がって来ると思います。
土俵を変えるのも大事
今回調査を行ったのは総合型エージェントでの検証です。
転職サイトもあくまで参考数値ですが、エージェントの力を強く思い知らされた数値でもあります。
エージェントの事前選考を通過している以上、企業がある程度信頼を置いて書類を通過させているのもあるでしょう。
私が実際に内定を得るためにサポートして頂いたエージェントについては下記記事にて解説しています。
これが所謂特化型エージェントに頼れるキャリアであれば、エージェントも利用者のキャリアに関してのスペシャリストとして、企業に営業をかけることになります。
同業界同業種では転職市場において力を発揮出来る、という事実を認識した方であれば、特定キャリアのスペシャリストに頼む威力がどれほどのものになるかもおわかり頂けるかと思います。
第二新卒のエージェントに関しては下記リンクでも解説してます。
まとめ
以上が検証結果です。
何度も言うようにあくまでも参考データですが、なんとなくイメージが湧いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
無理そうだから諦めよう、ではなく、希望があるんだな、とポジティブな方向に考えて頂ければ幸いです。
もし転職が成功したのであれば、嬉しい報告もお待ちしてますね!