女性の方でも職人になりたい!と志す方、多いと思います。
私自信、職人を経験していた時代は女性の職人は多々いました。
男女間の格差を無くす取組は行われていますが、まだまだ男性色が強く残っているのが職人という業界です。
女性が職人の求人に応募したらどうなる?
結論から申し上げますと、大歓迎されます。
経験者はもちろん、未経験者でもなんのデメリットもありません。
その根拠について、詳しく述べていきます。
売手市場の煽りを受けている
職人という業界のメイン層は中学〜高校卒の人達です。
力仕事、体力仕事、技術仕事、ということもあり、学歴は関係ありません。
しかしながら、日本は年々大学進学率が上がって来ており、自然と「職人」という選択肢を取る学生が少なくなってきました。
また、景気の煽りや少子化の影響もあり、売手市場(学生がなかなか採用出来ず会社側が困っている)の環境にあります。
そのため、職人達は人材の確保がとても困難となっております。
もしあなたが職人として就職希望をしてくれれば、社長や経営者は大喜びすると思います。
もちろん、中にはあまりいい顔をしない人もいるとは思いますが、そのような会社では入った後もいい思いは絶対にしないでしょう。
そもそもそのような会社は一部だけですし、先述の通り建築業界は人材にとても困っています。
会社を選べる時代を活かし、慎重にどこで働くべきか選んでいけば問題となることはありません。
転職も比較的しやすい業界ですので、入社してしまったから、内定してしまったから、と諦めず、時間をかけて自分に合う会社を選びましょう。
女性に対する扱いの変化
男女関係なく、能力のある人はバリバリ活躍します。
もちろん女性ということで、馴染めるか不安な方もいるかと思いますが、現場としても年々職人希望の女性が増えてきたこともあり、男性も現場に女性がいる環境には慣れてきています。
政府や国民が男女の格差を無くすよう尽力してきたことも追い風になってきているといえます。
先人達が活躍して女性に対する見方を変えてきた賜物です。
職種に制限はあるのか
働ける職種に制限はありません。
特に体力や力を使い、キツイとされている鉄筋工や鳶職でも、女性を雇用している会社はたくさんあります。
私も実際に見かけたことがありますが、職長(チームを束ねる人間)としてバリバリ指示を出しており、大活躍でした。
あまり後ろ向きにならず、積極的に応募していくことをオススメ致します。
女性にオススメの職種は?
先述の通り、職種自体に制限はありません。
しかし、重量物を取り扱う関係上、体格差が出てしまう職種よりは細かさやテキパキ動ける仕事の方が能力を活かせる女性も多いです。
今回はそのような仕事を一部抜粋して紹介致します。
※力仕事が全くない仕事はほとんどない、ということはご理解下さい。
防水・シール職人
雨水等が入り込まないように建築物に防水加工をしていく職人です。
塗料を塗ったり、シールと呼ばれる防水材料を塗ったり、といった塗装屋(ペンキ屋)に似た職種ですが、異なるのは壁面ではなく、ベランダや屋上への防水作業になる為、足場の安定度が一切異なります。
防水作業はスピードとクオリティ勝負な為、テキパキ動ける人が活躍しやすい職種です。
内装職人
所謂壁紙を張り替える仕事です。
職人の中では力仕事が最も少ない仕事の1つです。
壁紙を貼る、となると素人目には繋ぎ目が綺麗に出来ているか、といった部分に着目することも多いですが、基本的に繋ぎ目を残すような貼り方をする職人はほとんどいません。
その一方で、壁紙を貼る前までの下地調整によってその後数年のクオリティが決まる為、ここが適当になると、経年劣化により壁紙が剥がれたり浮いたりしてくるスピードが早まる、という事態が起きてしまいます。
パッと見では見えない部分を徹底して作業が出来る職人が求められています。
ハウスクリーニング
室内清掃のプロです。
範囲は風呂トイレキッチン等の水回りから、窓やサッシ、押入れ、換気扇、エアコンなど、一室全てを隅から隅まで綺麗にしていきます。
人が引っ越していった空室を新規で入居出来るようにクリーニングする仕事が一般的ですが、最近では一般のお客様から依頼を受け、エアコンのみ、水回りのみ、といったピンポイントでの入居物件のクリーニングも行われています。
ハウスクリーニングは、前に住んでいた人の痕跡を完全に消すレベルまで部屋を綺麗にしなければならない一方で、一室辺りの単価が高いわけではない為、どれだけ数をこなせるか、といったスピード勝負にもなりがちです。
スピードとクオリティを両立出来る方に向いた職業になります。
その他の仕事について
下記記事にて、27種類に渡って職人の仕事について網羅・解説しています。
今回紹介した仕事以外にも興味を持った職種があれば、是非応募して見て下さいね。
活躍する方法とは
無論、体力や力が必要になる職場も多いですが、職人という現場において大切なのは、
「テキパキ動く能力」と「ミスなく仕事を遂行出来る能力」です。
最初は何をしたらいいかわからず立っているだけになってしまったり、ミスをしてしまうことも出てくるかと思います。
その経験を活かし、やるべきことを職長や親方に聞く、一度してしまったミスはしない、逐一確認作業をする、という社会人にとって当たり前のことが出来るかどうかが活躍の別れ目です。
これが出来ない職人は男女関係なく活躍することはおろか、馴染むことも難しいです。
いくら力があって重量物を軽々持ち上げていても、素早く動けても、ミスがあれば二度手間になり仕事を余計に増やしてしまうことになります。
そうなると少し力や体力面で劣っていても、ミスせず作業内容を理解しながらテキパキ進めてくれる職人の方が確実に大切な戦力になります。
肉体労働の世界ですが、労働以前のこういった部分を意識するだけで活躍出来ますし、これが出来ればどこでも重宝されますし、職長クラスになるのも昇給するのも早いです。
働く上での注意点とは
職人として働く中で、女性が最も気をつけるべき点が一つだけあります。
それは、「自分の性別も意識するべきではない」ということです。
「女」を意識してはいけない
どういうことかと言いますと、職人というのは、化学物質、高所作業、機械、重量物、というものが常に周囲にある非常に危険な環境です。
私が以前見かけた例では、ヘルメットから髪の毛を垂らし、化学物質が髪の毛に付着して溶けてしまったことがあります。
これがもし機械だった場合、巻き込まれて大事故に至る可能性も充分にあります。
爪が剥がれてしまうことも日常茶飯事です。
メイクバッチリで行ったら、材料と化学反応を起こしてしまい、思わぬ事故に繋がってしまった、ということも考えられるでしょう。
それくらい本当に危険な仕事です。
職人にとって、一番大切なのはかっこよさでしょうか?オシャレでしょうか?
社員達の安全です。
「女性」ということを意識させない為には、あなた自身が「女性」ということを強調しない、そのことが最も大事なことです。
そして、「女性だから」という理由で優遇されることは一切ない、とても厳しい社会に飛び込むんだ、ということを念頭に置いて職人を目指して下さい。
まとめ
ここまで「女性」という単語を多く使って来ましたが、先述の注意点さえ守ることに気をつければ、多くの人が性別など関係なく、暖かく迎え入れてくれることは間違いありません。
また、安全にさえ注意していれば本当に楽しい職場が多いのも職人達の特徴です。
是非あなたに合う職場を見つけて下さいね。
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